ザ・クインテッセンス2015年8月
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はじめに:CR接着修復の今 欠損主体の時代から,“口腔を生涯守る”時代へと変化を遂げている昨今,ミニマルインターベンション(MI)コンセプトの意義は以前にも増して大きなものとなっている.ダイレクトボンディング法を用いたコンポジットレジン(以下,CR)修復がMIコンセプトを支える大きな柱の一つであることは言うまでもない. 接着歯学の目覚ましい発展と接着性材料の飛躍的進化によって,CR修復は,う蝕治療に限らず,さまざまな症例に用いられるようになり,トゥースウェア,歯の破折,離開歯列の空隙閉鎖,矮小歯など形態異常歯の造形,色調改善,失活歯へのコアビルドアップとモノブロックレストレーション,少数歯欠損へのブリッジ,さらには咬合再構成など,その例を挙げれば枚挙に暇がない(図A~G). CR修復の適応範囲が拡大し修復が大型化する一方で,器材のバリエーションも増え,狭小な部位へのマイクロ充填や補修(リペア修復)など,マイナートラブルの解決法としても,さまざまな場面で活躍する.超高齢社会において,即日で修復を終え,何かあってもリペア可能なCR修復は,高齢者にとっても若年者にとっても臨床的有効性の高い治療法である. CR修復を確実に成功に導くためには,接着技法や接FEATURE特 集 3A文献&臨床でひも解く接着,充填,メインテナンス……広がるCR修復の可能性!図A 高齢者の歯の色・形態の改善図F コアからビルドアップしたモノブロック修復図G 両隣在歯への侵襲がないダイレクトブリッジ修復CR修復108the Quintessence. Vol.34 No.8/2015—1654

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