ザ・クインテッセンス2015年8月
8/8

FEATURE特 集 5深井穫博*,*1/小川祐司*2*深井保健科学研究所,*1日本歯科医師会,*2世界保健機関(WHO)歯科医官*連絡先:〒341‐0003 埼玉県三郷市彦成3‐86World Congress 2015Kakuhiro Fukai, Hiroshi Ogawaキーワード:世界会議2015,健康寿命,NCDs,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ,東京宣言 世界会議2015が,日本歯科医師会が主催しWHOが共催となって,3月13日(金)~15日(日)の3日間にわたって東京国際フォーラムにて開催された.本会議の趣旨は,世界でもっとも早いスピードで超高齢社会に突入したわが国が世界各国に呼びかけ,高齢化と歯・口腔の健康および健康政策にかかわる共通の課題と今後求められる対応策について協議し,今後の取り組みに関する共通認識を図ることであった. 参加者は,国内および,世界保健機関(WHO),世界歯科連盟(FDI)の他,米国,ドイツ,フランス,中国香港特別行政区,韓国,タイ,インドネシアなど,世界23か国,約1,800名に及ぶ歯科関係者等の参加を得て行われた. 会議では,健康長寿社会実現に向けた多数の講演が行われ,各シンポジウムでは「超高齢社会における口腔保健・歯科医療の課題」等をテーマに,国内外からの参加者を交え議論を行った.また,最終日にはNCDs(Non-communicable diseases:非感染性疾患)の増加がもたらす多くの課題への対策推進とその成果を世界会議2015「健康寿命延伸のための歯科医療・口腔保健」実現に必要なことは?世界中で共有し,さらにあらゆる健康政策の中に基本的要素として歯科医療・口腔保健が位置づけられるべきと結論づけた.そのうえで,健康寿命延伸のための歯科医療・口腔保健に関する「東京宣言」が採択され,大久保満男大会長より発表された1. 本稿では,本会議で議論された課題の根底にあるキーワード,世界会議に合わせて発行された歯・口腔の健康と健康長寿に関するエビデンス集,および東京宣言の意義について解説する.キーワードで読み解くはじめに144the Quintessence. Vol.34 No.8/2015—1690

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です