ザ・クインテッセンス2015年9月
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顔面頭蓋と咬合からみる欠損補綴治療FEATURE特 集 2福岡県開業 田中ひでき歯科クリニック連絡先:〒814‐0132 福岡県福岡市城南区干隈2‐1‐19田中秀樹Prosthodontic Treatment for Missing Teeth from the Perspective of Cranio Facial Balance and OcclusionHideki Tanakaキーワード:顔面頭蓋,咬合,欠損補綴,トゥースパフォーマンスはじめに 超高齢社会において欠損補綴治療を行うにあたっては,患者のライフステージと経済的,社会的背景,歯科治療および審美性に対する価値観を十分に踏まえた治療計画を立案しなければならない.なぜなら,患者に対して残存歯の保存と治療結果の長期安定や治療再介入の時期とその際の治療費等に対する十分な説明を行い,患者が納得できる最善の治療方法を選択してもらうことが重要だからである. そのためには,天然歯のパフォーマンス(後述)の診断を基に,よりわかりやすい補綴治療方法を立案,提示する必要があると筆者は考えている1.さらに,欠損補綴にインプラント治療を行う場合はとくに,患者のエイジングに合わせて追加補綴治療,または再補綴治療が必要になる場合があることを念頭に入れておかなくてはならない. そこで最初の全顎的補綴治療を行う際には,全身からみて調和のとれた顎位で咬合関係を構築しておくことが重要であることは言うまでもない.その患者の本来の咬合関係からわずかなズレや歪みを残したままの状態で咬合関係を構築した場合,その歪みは顎関節のみではなく,咀嚼筋群,顔面頭蓋の歪み60the Quintessence. Vol.34 No.9/2015—1856

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