ザ・クインテッセンス 2017年7月
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読むとよく効く歯科麻酔の勘所Q&A全身管理伝達麻酔浸潤麻酔Katsuhisa SunadaRead this Article and Anesthesia Works well Point of Dental Anesthesia Q&Aキーワード: 浸潤麻酔,近位法,全身管理砂田勝久日本歯科大学生命歯学部歯科麻酔学講座連絡先:〒102‐8159 東京都千代田区富士見1‐9‐20 「えーと,朝一番の●●さんは高血圧に心房細動かあ,午後からは78歳の患者さんの下顎大臼歯部インプラント埋入オペもあるし……,憂鬱な1日になりそうだなあ」 毎日の診療で大きなストレスを感じる手技はなんでしょうか? 「そりゃなんと言っても麻酔だよ」と仰る先生も少なくないのではないでしょうか.とくに近年急増している循環器疾患をともなう高齢者への麻酔薬投与は,抜歯などの外科処置と並んで避けたいものの代表ですね.痛みを与えると血圧が上がるから麻酔をしっかり効かせなければならないのに,その麻酔で血圧が上がるというのはよく言われるジレンマです.「麻酔をしたほうがいいのかすべきではないのか,はっきりしてくれっ!」と叫びたくなる気持ちもよくわかります.歯科用麻酔薬の大部分は循環器に負担をかけるアドレナリンを含んでいますし,そもそも注射と聞いただけでドキドキするという患者も珍しくありません. そこで本稿では「最小の痛みで最大の効果」を目標に日々奮闘している筆者秘伝(?)の麻酔の勘所を,浸潤麻酔,伝達麻酔,全身管理の3つのポイントからお話しいたします.はじめに特 集 398the Quintessence. Vol.36 No.7/2017—1482

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