ザ・クインテッセンス 2018年2月号
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乳歯の歯髄処置どうする?86the Quintessence. Vol.37 No.2/2018—0344牧口哲英Pulp Treatment in Primary Teeth, What is Next?Tetsuhide Makiguchiキーワード:ラバーダム,浸潤麻酔,表面麻酔,乳歯直接覆髄,乳歯生活歯髄切断法,MTA千葉県開業 キャビネ・ラピヌー連絡先:〒279‐0022 千葉県浦安市今川1‐2‐28特 集 3と,その時期に合った治療を把握しておけば,それほど難しいものではありません,ある程度マニュアル化して診療所全体で治療の流れを把握しておくことは大切です. また,子どもは年齢により言葉の理解力や,恐怖に対する反応も違います.精神的な対応は子どもの発達によってずいぶんと違ってきます.緊急時以外は治療をすぐに始めず,保護者からの聞き取りや子どもとの簡単なやり取りである程度のことを把握していくことが大切になります. そこで本稿では,乳歯治療の基本的な考え方や治療に必要な器材をはじめ,患児の年齢や乳歯の成長の時期も考慮した治療介入のタイミング,そして乳歯の歯髄処置の実際を解説します. 診療所の看板に「一般歯科」と並んで「小児歯科」を標榜している方は多いでしょう.その時点で,保護者は「この歯科医院は,子どもをきちんと診てくれるのだろう」と思って来院します.地域に根付いたFamily Dentistになるには,この子どもたちを大事に扱うことが重要です.それが,患者が長く診療所に通ってくれることにつながり,その積み重ねが診療所の安定した経営となります. 小児歯科は,乳歯萌出から永久歯への交換までの時間ベクトルで考えると,同じ歯であっても萌出,歯根完成,歯根吸収,脱落までと年齢によって治療内容が変わってくるのがやっかいなところです.また,乳歯は永久歯に比べて構造が小さく,硬度が低い点に注意が必要です.しかし,乳歯の成長の時期はじめに

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