ザ・クインテッセンス 2018年2月号
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臨床に生かす根管解剖学CBCTと歯科用顕微鏡を駆使した“歯内療法新時代”の連載(全12回)163the Quintessence. Vol.37 No.2/2018—0421吉岡隆知東京都開業 吉岡デンタルオフィス連絡先:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-3-13-1Fはじめに 今月からの本連載では,全歯種の解剖学的形態について,論文ベースのデータと筆者らがこれまでに製作した透明標本,および臨床で得られたCBCT画像・臨床画像を基にして解説する. 同一の研究者が全歯種の形態を調べた研究のなかから,根管形態の分類(図1)で有名なVertucci1,最近の報告のなかからトルコ人の歯を調べたSertら2,日本人の歯を調べた葭内ら3のデータを基調として,他に歯種別の形態を調べた研究成果を歯種ごとに紹介していく.併せて,それらの形態に対する臨床的対応法も紹介する. 歯内療法における根管形成,根管治療に関する戦略がこれらの根管の解剖と矛盾しないか,解剖学的に妥当か,これらを検討するためのたたき台となることを期待する.1.上顎前歯 上顎前歯は1根管で湾曲がなく,比較的単純な形態だと考えられている.そのために,根管治療をすSPEAKER’S ARTICLE第8回 日本国際歯科大会2018Fホール10/6(SAT)午後第2回 上顎前歯の根管形態の特徴Vertucci1による根管形態の分類TypeⅠⅡⅢⅣⅤⅥⅦⅧ12-11-2-121-22-1-21-2-1-23図1 Vertucci1による根管形態の分類.

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