ザ・クインテッセンス 2018年2月号
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兵庫県開業 髙田歯科連絡先:〒650‐0021 兵庫県神戸市中央区三宮1‐1‐1 新神戸ビル5F髙田光彦Successful Direct Composite Resin Restoration₁MItsuhiko Takataキーワード: コンポジットレジン修復,チェアタイム,器具第1回 クオリティの高い治療を行うために必要な考え方と器具についてコンポジットレジン修復成功への道本連載は偶数月に掲載連載にあたって MI治療を語るうえで外すことができない歯科材料であるコンポジットレジン(以下,CRと略).周知の事実として,諸外国では数万円の治療に用いられる材料であるのに対し,日本ではその多くが保険適用内で行われているため,比較すると非常に安価な治療に用いられる歯科材料である. 今回からの3回連載(偶数月掲載)では,あえて「保険・自費」という枠にとらわれず,純粋に治療のクオリティを上げることを目的とした構成で話を進めたいが,治療のクオリティを考えるとどうしてもコストや時間,材料などの問題が生じてしまうため,本連載では主に自費のCR修復をメインに話を進めたい. 日本においても,CR修復を自費で行うという潮流は2005年ころからスタートしているが,残念なことに現在でもその普及率は5%に満たないといわれている.その足枷になっているのは「自費用CRを使ったから自費治療」という考え方であろうと推察する.物性的にはほとんど差がない「自費用」と「保険用」のCRという材料の使い分け“だけ”で,治療そのものを自費化することに対して従来から筆者は違和感を覚えている. 本稿では「CRを用いたクオリティの高い自費保存治療」という観点からCR修復のポイントを書いていきたい.1.自費の保存修復治療の考え方 一般的な歯科治療における流れでは,図1aのようにコアや歯冠修復・補綴の時点で自費へ移行するケースを見受けるが,当院ではう蝕処置を開始する以前に,それを自費治療として行うのか,保険治療として行うのかの意思決定を行っている(図1b).そうすることで,充填物除去やう蝕処置,露髄した場合には覆髄や断髄処置,そして最終の修復や補綴に至るまでのすべての行為を自費化することが可能になると同時に,治療スケジュール・チェアタイムもあらかじめ決定できる. このような流れをつくっておくことで,露髄時点BasicforAdvance新隔月連載SPEAKER’S ARTICLE第8回 日本国際歯科大会2018Gホール10/7(SUN)午後181the Quintessence. Vol.37 No.2/2018—0439

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