ザ・クインテッセンス 2018年3月号

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「わかっていること」「いないこと」歯周病とメタボリックシンドロ　46the Quintessence. Vol.37 No.3/2018—0550　口腔の健康状態が全身にさまざまな影響を及ぼすことが明らかにされつつあるなか，歯周病とメタボリックシンドロームは，ともに有病率の高さから臨床・保健活動・基礎研究で注目される疾患です．　本稿では，まず，メタボリックシンドロームの発症機序を踏まえつつ，「持続する慢性炎症」の観点でメタボリックシンドロームと歯周病の共通点を挙げ，次に，疫学研究の見解をもとに歯周病がメタボリックシンドロームの発症リスクを高める可能性を検討します．さらに，動物モデル研究や細胞生物学研究で得られている所見から，「歯周病からメタボリックシンドローム」で想定されるメカニズムを「わかっていること」と「わかっていないこと」の視点で捉えつつ，健康増進において歯科臨床がもつ潜在的な力を探りたいと思います．特　集 1はじめに歯周病とメタボリックシンドローム慢性炎症インスリン抵抗性歯周病菌サイトカインマクロファージ？図1　歯周病と内臓脂肪型肥満の共通点から歯周病がメタボリックシンドロームのリスクとなる可能性が考えられる．