ザ・クインテッセンス 2018年4月号
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兵庫県開業 髙田歯科連絡先:〒650‐0021 兵庫県神戸市中央区三宮1‐1‐1 新神戸ビル5F髙田光彦Successful Direct Composite Resin Restoration₂MItsuhiko Takataキーワード: コンポジットレジン修復,マイクロスコープ,エキスカベーション,歯髄温存第2回 「歯髄を守ること」を考慮に入れたCR修復コンポジットレジン修復成功への道本連載は偶数月に掲載はじめに 修復治療において“審美修復”することは当たり前のことであり,歯科医師にとっては疾患としてのう蝕へのアプローチこそが最重要と考える. 当院では2008年よりマイクロスコープを導入しており,拡大視野下でのう蝕治療に積極的に取り組んできた.そこで今回は,とくに露髄時に大いに活躍するマイクロスコープを活用したう蝕処置について記していきたい.1.エキスカベーション 軟化象牙質除去は,その硬さや色を基準とした手段が多くみられるが,筆者は科学的,すなわち再現性の高い方法を選択したいと考えている.その1つの手段としてう蝕検知液を用いる.う蝕検知液にはプロピレングリコールを主成分とするものとポリプロピレングリコールを主成分とするものが存在するが,分子量が大きく,染まりすぎないことを特徴とするポリプロピレングリコール系検知液を採用している. う蝕検知液の使い方として,メーカー推奨の方法は窩洞の内部に直接検知液のシリンジを挿入して検知液を滴下する方法であるが(図1),この方法は不衛生であるとの指摘もあり,近年ではアプリケーターで窩洞に塗擦する方法が一般的である(図2).しかし,アプリケーターを使う際には圧をかけないように注意が必要である.当院で実験を行ったところ,無圧で滴下した場合と塗擦した場合では,図3のように染色範囲に大きな差が生じた.塗擦する際には極力圧力をかけないように注意する必要がある. う蝕検知液は,理論上は先駆菌層を完全除去するものであるため,染色部は完全に除去すべきであるが,肉眼での治療を前提として開発された商品ゆえの問題点が露見することがある.肉眼もしくは低倍率ルーペ下では染色部が除去できていると思われる場合でも(図4aの□部),マイクロスコープを通してみると,染色部が残存していることがわかる(図4bの○).このように,拡大視野で染色部を除去するようになると,従来ならば見過ごしていたようなBasicforAdvanceMovieスマホで動画が見られる!(使い方:P3参照)P194,196隔月連載SPEAKER’S ARTICLE第8回 日本国際歯科大会2018Gホール10/7(SUN)午後191the Quintessence. Vol.37 No.4/2018—0917

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