ザ・クインテッセンス 2018年6月号
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診断力連載口腔粘膜疾患診断力テスト本連載は,口腔粘膜疾患の1症例の資料(口腔内写真など)を提示し,読者にその診断名・治療方針を考えてもらう欄である.97the Quintessence. Vol.37 No.6/2018—1311第6回「口蓋にできたほくろのようなものが気になります」答は次頁症例の概要Qこの病変に対する診断と治療方針は?執筆:松野智宣*/コーディネート:岩渕博史*1 *日本歯科大学生命歯学部口腔外科学講座*1神奈川歯科大学歯学研究科顎顔面機能再建学講座代表連絡先:*〒102‐8159 東京都千代田区富士見1‐9‐20既往歴:特記事項なし(非喫煙者).家族歴:特記事項なし.現症:右側硬口蓋粘膜に境界明瞭で周囲よりやや隆起した5×6mmの黒色の腫瘤を認めた.表面は平滑で圧痛は認められなかった.また,口腔内に同様の病変も認められなかった.主訴:口蓋の黒色病変の精査.患者:30歳,女性.現病歴:1年前,歯科治療時に硬口蓋の黒色斑を指摘されたが,痛みなどの不快症状がないため放置していた.最近になりやや隆起してきたような違和感を自覚したため,紹介医を受診したところ精査を勧められて来院した.図1a,b 硬口蓋の粘膜にやや隆起した黒色病変がみられる.ab

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