ザ・クインテッセンス 2018年7月号
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直接法 vs 間接法組織・解剖学的見地から考える臼歯部MI修復間接修復の優位性後編66the Quintessence. Vol.37 No.7/2018—1518二宮佑介Direct Restoration vs Indirect RestorationMinimal Invasive Restoration Utilizing a Histo-anatomic Approach for Posterior TeethYusuke Ninomiyaキーワード:間接法,形成デザイン,接着ステップ東京都開業 ニノデンタルオフィス連絡先:〒150‐0001 東京都渋谷区神宮前4丁目17‐16 エリキサ表参道2F特 集 3 前号で述べたとおり,MIの観点から,Ⅰ級窩洞の場合は直接法によるコンポジットレジン修復を行うことが第一選択になる.直接法か間接法かで臨床上判断に悩むのはⅡ級窩洞であろう.隣接面での窩洞の幅が大きくなれば,直接法で形態を付与することが難しくなる.そこで,まずはⅡ級窩洞の直接法と間接法の利点・欠点について考えてみたい.Ⅱ級窩洞の直接法の利点・欠点 直接法の利点は,歯質の汚染問題や歯質の削除量が少ないことである. 一方,欠点は,窩洞が大きくなるため解剖学的形態の付与が困難であること,適切な隣接面のコンタクトの付与が困難であること,コンタクト部の仕上げや研磨が困難であること,またコンポジットレジンの重合収縮の問題などが挙げられる.Ⅱ級窩洞の間接法の利点・欠点 間接法の利点は,隣接面形態やコンタクトの付与が容易なこと,解剖学的形態の付与と咬合接触点の付与が容易なこと,直接法に比べて重合収縮の問題による適合や辺縁封鎖性が向上すること,物性の問題(加熱重合処理により直接法と同じ素材のコンポジットレジンインレーであっても機械的強度,耐摩耗性が向上する可能性がある),咬合調整・仕上げ・研磨を口腔外で行えるため,直接法より容易で,材料選択が増えるということが挙げられる. 一方,欠点は,仮封中の歯質の汚染問題,歯質の1Ⅱ級窩洞の直接法と間接法の利点・欠点

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