ザ・クインテッセンス 2018年9月号
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診断力連載口腔粘膜疾患診断力テスト本連載は,口腔粘膜疾患の1症例の資料(口腔内写真など)を提示し,読者にその診断名・治療方針を考えてもらう欄である.121the Quintessence. Vol.37 No.9/2018—2077ト®配合錠DB,ラジレス®錠,アジャストAコーワ錠,ハイボン®錠,ニトロダーム®TTS®.現症:顔貌は左右対象で,顎下リンパ節の腫脹はみられなかった.左側舌縁部に12×9mm大の潰瘍を認めた(図1).有痛性であったが周囲に硬結は認めなかった.口腔内他部位の粘膜や皮膚にはとくに異常はみられなかった.歯や義歯による刺激は明らかでなく,舌の運動障害や知覚異常はみられなかった.主訴:左側舌縁部の難治性潰瘍年齢・性別:91歳,男性.現病歴:1か月程前から左側舌縁部に潰瘍を生じ,通院中の内科医院でアフタゾロン®口腔用軟膏,アフタッチ®口腔用貼付剤を処方され塗布/貼付するも改善なく,当科に紹介となった.既往歴:高血圧症,虚血性心不全,前立腺肥大.服用薬剤:シグマート®錠,ノイキノン®錠,コメリアン®コーワ錠,ユリーフ®錠,エピプロスタッ執筆:山本一彦*/コーディネート:岩渕博史*1 *奈良県立医科大学口腔外科学講座*1神奈川歯科大学歯学研究科顎顔面機能再建学講座代表連絡先:*〒634‐8522 奈良県橿原市四条町840第9回「舌にできた潰瘍が治らない」答は次頁症例の概要Q以下の症例に対する診断および治療方針は?図1 初診時臨床所見.

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