ザ・クインテッセンス 2018年12月号
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第3回     再生療法の実際②隔月連載(偶数月に掲載)再生療法成功のポイント(最終回)103the Quintessence. Vol.37 No.12/2018—2805はじめに 歯周組織再生療法(以下,再生療法)の適応症や,デブライドメントまでの実際の手順について前回まで記してきた.最終回の今回は,再生材料の選択から術後の管理について述べていく.1再生材料の選択と適用 デブライドメントが終了したら,骨欠損部の歯周組織再生を促進するための処置を行う.再生療法には1)GTR法,2)生物学的製剤を用いた手術法,3)骨移植術,が挙げられる(図1).1)GTR法 GTR法は,物理的に上皮の深部増殖(ダウングロース)や結合組織由来の細胞の遊走を防ぎ,歯根膜由来の未分化間葉細胞を誘導することで歯周組織再生を期待する治療法である.従来のフラップ手術に比べ有意にアタッチメントゲインが認められるとのことで1980年代から臨床応用されてきたが,①メンブレンのトリミング,縫合に習熟が必要,②術後の合併症が多い1,2,③複数歯への応用の難易度が高い,④従来より定評のあったゴアテックスメンブレンの販売が終了,などの理由により,GTR法単独では筆者はほとんど行っていない.2)生物学的製剤を応用した手術法 歯周組織再生を促進するための生物学的製剤で,奈良嘉峰キーワード:再生療法,縫合法,リエントリー静岡県勤務 セントマリアフューチャークリニック連絡先:〒426‐0034 静岡県藤枝市駅前1‐8‐3‐201■再生材料の選択と適応図1a〜f 再生材料の選択と適応.a,b:吸収性メンブレンを用いたGTR法,c:エムドゲインを応用した手術法,d:リグロスを応用した手術法,e,f:骨移植術.GTR法生物学的製剤を用いた手術法骨移植術abcdef

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