ザ・クインテッセンス 2019年2月号
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迷ったときに活用したい口腔粘膜疾患鑑別ガイド64the Quintessence. Vol.38 No.2/2019—0318 形,色,手触りは,物の特徴を表す. 口腔病変の診察でも,形と色(視診),手触り(触診)で疾患の構造的特徴を判断する.良い臨床医は,第1に正常解剖をよく知っており,それぞれの組織や器官がどこに存在し,どこまで広がり,どのようなお互いの位置関係なのかがわかっている.第2に視診と触診によって,正常と病変の顕微鏡レベルの構造を思い浮かべることができる1. 患者の訴える自覚症状を「症状」というのに対して,視診や触診で得られる客観的な所見を「徴候」という.口腔粘膜疾患を観察するうえで必要となる基本的な「目で確認できる徴候」を,形や色で分類してまとめておくと,診察を行ううえで役に立つはずである2.形や色で疾患の鑑別ができるようになると,悪性疾患の早期発見や適切な医療連携が行える. 口腔病変を形と色でわけて疾患の特徴を記載してみた.特 集 2はじめにYoichi Nakagawa鶴見大学歯学部附属病院口腔機能診療科連絡先:〒230‐8501 神奈川県横浜市鶴見区鶴見2‐1‐3中川洋一キーワード:口腔病変,癌,白板症,口腔カンジダ症Differential Diagnosis of Oral Mucosal Disease

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