ザ・クインテッセンス 2019年9月号
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42the Quintessence. Vol.38 No.9/2019—1858特 集 1はじめに 「歯間乳頭」は魅力的な部位である.多くの歯科医師の興味を引きつけて離さない.より審美性が強く求められてきた1990年代の潮流において“5mmルール”で脚光を浴びたTarnow DPの一連の報告は,歯間乳頭部への関心をさらに集めた.しかし,こと歯周組織再生療法においては,それ以前から注視されている部位である.なぜなら,歯周疾患の好発部位であり,歯周組織再生療法の最適応症となる垂直性骨欠損のほとんどが歯間部に起こるからである. 歯間部の骨欠損へのアクセスには,一般的に歯間乳頭を切開し,歯間乳頭部での初期閉鎖(primary closure)を達成する必要がある.しかし,血液供給を得るのに歯間乳頭部はたいへん不利な部位であり,初期閉鎖を得るのは簡単ではない.その方法は今日まで,世界中の歯科医師たちによって多くの工夫が 第1回 歯間乳頭部の初期閉鎖を目指す    Periodontal Regeneration Therapy─The Essence of Microsurgery─ Part.1 Intrabony DefectFumiyo Yamaguchiキーワード:歯周組織再生療法,マイクロサージェリー,垂直性骨欠損,歯間乳頭,フラップデザイン,低侵襲な歯周外科治療神奈川県開業 山口歯科医院連絡先:〒231‐0005 神奈川県横浜市中区本町3‐24‐2‐1F山口文誉Movieスマホで動画が見られる!(使い方:P13参照)P50,53,56

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