ザ・クインテッセンス 2019年9月号
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43the Quintessence. Vol.38 No.9/2019—1859されてきた.切開線やフラップデザインの名称に歯間乳頭(papilla)という単語が含まれるものが多いことから,さまざまな葛藤があった歴史が垣間見える. 肉眼で治療していた1990年代,歯間乳頭部の初期閉鎖率は70%前後であったが,2000年以降,再生療法においてマイクロスコープが使用されるようになり,それは飛躍的かつ劇的に向上し90%を超えた.この功績は非常に大きい.歯間乳頭は歯と歯の間にあるわずか数ミリの非常にFragileな組織であり,歯間乳頭部はたいへん狭く操作性が制限されるため,デリケートに扱うことが重要なのである. 本連載では,全3回にわたりマイクロサージェリーによる歯周組織再生療法について解説する.本稿では,その最適応症である垂直性骨欠損にフォーカスし,歯間乳頭部の初期閉鎖を目指すフラップデザインの変遷について,近年報告されている新たなフラップデザインおよび筆者オリジナルの新たなフラップデザインも合わせて紹介したい.   フラップデザインの変遷(垂直性骨欠損編)

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