ザ・クインテッセンス 2019年12月号
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働きたい・働き続けたい歯科医院働きたい・働き続けたい歯科医院̶歯科衛生士だから言えること̶連載(全12回)第12回(最終回)評価制度とその導入方法について濵田智恵子株式会社TomorrowLink代表取締役/歯科衛生士/歯科臨床コンサルタントはじめに 第10回で「タイプ別での歯科衛生士キャリア傾向」を取り上げましたが,どのタイプに属すかわからない歯科衛生士は,どこの医院にもいます. そこで今回,どのタイプの歯科衛生士にも“気づき”があるような評価制度とキャリアパスについてお話しします(図1,2).今回紹介する評価制度とキャリアパスを使用して,先生がたの医院で勤務している歯科衛生士のできることが増え,その歯科医院で勤務し続ける理由の1つになればと考えています.キャリアパス(評価項目)について 歯科衛生士を評価するには,まず「何を評価するか?」が重要です(図1).目安年数は医院ごとに歯科衛生士と相談して決定しますが,筆者は4つの評価項目によって評価することを推奨します(図2).それらを以下に解説します.【1】専門知識・技術を含む歯科衛生士業務への評価(プレイヤー能力) 歯科衛生士業務を項目分けし,その業務のクオリティでキャリアパスを作成します.予防歯科分野であれば「小児健診」,「成人健診」や「歯周治療」,「SPT」,その他歯科医院で行っている歯科衛生士業務すべてがその項目となります. また,別途「実技テスト」,「筆記テスト」,「症例検討会」などを6か月もしくは1年に1回程度行い,その歯科衛生士の成長や技術が維持されているかを確認します.【2】後輩の指導や指示ができることへの評価(ガイド&コーチ能力) 後輩育成をすすんで行い,指導できる歯科衛生士に対して,その部分を評価します.【1】と【2】からどのような力をみるのか? 【1】と【2】の項目は「【1】はできるけど,【2】は苦手」,「【2】は得意だけど,【1】で成長するのは難しそう」という具合に評価でき,さまざまなタイプの歯科衛生士に対応できるようになります. なお,【1】と【2】は,歯科衛生士としての実力を図るものですが,院内研修や勉強会がなく学ぶ雰囲気がないのに,【1】と【2】が入ったキャリアパスを作成すると「教えてもらっていないのに評価された」となってしまいます.「勉強は自分でするもの!」という古い考え方は忘れ,歯科衛生士自身が成長できる環境をぜひつくっていただければと思います.184the Quintessence. Vol.38 No.12/2019—2718

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