ザ・クインテッセンス 2020年1月号
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82the Quintessence. Vol.39 No.1/2020—0082特 集 2医療法人すずらん会 たろうクリニック連絡先:〒813‐0043 福岡県福岡市東区名島1‐1‐31*九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座クラウンブリッジ補綴学分野連絡先:〒812‐8582 福岡県福岡市東区馬出3‐1‐1*1篠栗病院歯科連絡先:〒811‐2413 福岡県糟屋郡篠栗町大字尾仲94内田直樹/荻野洋一郎*/鈴木宏樹*1 今や「認知症」という言葉は,医療従事者に限らずとも,誰もが知っている言葉となっている.しかし,一方で「認知症とは何か?」と問われたら,すぐには答えられない方が多いのではないだろうか. 認知症は2025年には700万人を超え,65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症に罹患するとの推計もある.高齢化の進むわが国において,認知症は無視できない大きな,そして身近な問題であり,認知症と向き合うことは,歯科医療者にとっても避けては通れない時代である. しかしながら,現在の歯科臨床の現場においては,認知症についてよく知らないままで何となく歯科治療を行っている,もしくは歯科治療自体を避けている場合が多く見受けられるようである.また認知症の方々からも,「口腔内の問題を誰に相談すればよいのかわからない」という声も聞かれる.これからは,地域の歯科診療所においても,認知症に対する知識をしっかりともち,きちんと認知症の方に対峙することが求められている.そのためには,認知症の特徴を踏まえ,それを歯科医療にどう落とし込んでいくかが重要ではないだろうか. 本特集では,福岡県で認知症在宅医療を専門にされている精神科医の内田直樹先生,九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座クラウンブリッジ補綴学分野准教授の荻野洋一郎先生と地域病院歯科で働く鈴木の3名で,認知症についての基礎知識から歯科臨床対応までを述べ,いまだからこその認知症を知るきっかけになればと考えている.(鈴木宏樹)特集のはじめに4Eホール午前10/18(日)講演者論文

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