ザ・クインテッセンス 2020年2月号
1/8

52the Quintessence. Vol.39 No.2/2020—0322特 集 1はじめに 生体のなかでもっとも硬度が高いとされるエナメル質,その最表層は結晶をもたないアモルファス構造であり,形態はマクロでもミクロでも美しい曲線を描く.自然美の絶巓と評しても過言ではないこの琺瑯を,エナメル芽細胞が形作っているという現象はまさに生命の神秘である. 一方,歯科臨床においてわれわれ歯科医師は,この生命の神秘ともいえるエナメル質を必要として削り修復・補綴を施している.その再生能力を有さない生体組織の一部を切削し,生体材料で修復することが唯一許される資格をもつのが歯科医師であり,その責任はとてつもなく重い. 外胚葉由来組織が顎骨原基内に陥入することから歯の原基は発生し,外界の侵襲から顎骨に守られながら栄養とシグナルに応答し,形態・形質を整えながら適時・適所に萌出する.そして,人種や性別にかかわらず部位特異的な形態(前歯・小臼歯・大臼歯)Motohiro Takai, Hiroshi Shimamatsu, Omnia Salehキーワード:Actual form,Visual form,Tooth ratio,RED-proportion東京都開業*1・勤務*2 Premium Dental Care EBISU・DAIKANYAMA連絡先:〒150‐0021 東京都渋谷区恵比寿西1‐22‐5 シルクロード代官山1F*3東京医科歯科大学大学院摂食機能保存学分野連絡先:〒113‐8510 東京都文京区湯島1‐5‐45髙井基普*1/島松 博*2/Omnia Saleh*2,32Aホール午後10/18(日)講演者論文The Criteria of Digital Aesthetic Designing in Anterior Dentition:Aesthetic Transformations for Anterior Dentition天然歯列100症例から読み解く

元のページ  ../index.html#1

このブックを見る