ザ・クインテッセンス 2020年3月号
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子どもたちの  と    を育てる歯科医療口腔機能口腔機能歯列歯列チームで取り組む!158the Quintessence. Vol.39 No.3/2020—0698第回食べる機能をどう診るか3 前回まででも述べたように,子どもたちを日々診ていくなかで,近年はう蝕の治療で受診する小児は減少する一方ですが,「呼吸のし方」「舌の動き」「食べ方・飲み込み方」「睡眠」などに何かしらの問題が見受けられる子どもたちが増加していると感じています.今回は,これらのなかでも「食べ方・飲み込み方」つまり「食べる機能」について取り上げたいと思います. 平成26年に日本歯科医学会によって行われた調査によると,保護者のもつ「食べる機能」についての心配事のトップは「偏食」であり,次いで「食べるのに時間がかかる」「遊び食い」「むら食い」「テレビなどを見ながら食べる」「小食」となります1.このような心配事があっても,多くの親御さんはどこに相談していいかわからず,また「子どもだからしょうがない」「大きくなったら治るだろう」と過ごしてしまう方も多くいらっしゃいます. 一般歯科診療所において,初診で「食べ方・飲み込み方」について相談されることは稀ですが,問診や口腔機能を診ることで問題に気づき,状況とこのまま放置した場合に起こりうる弊害についての説明,できる範囲での指導(離乳食の進め方など)を行うべきだと思います.また,栄養面や摂食嚥下の実際の評価が必要となった場合は,専門の機関を紹介することが大切です. そこで今回は,「食べる機能」の問題に気づき,対応するうえで知っておきたい摂食機能の発達と哺乳・離乳・咀嚼の基礎知識についてと,専門機関と連携を行った症例をご紹介したいと思います.はじめに*1医療法人社団百瀬歯科医院 歯列育成クリニック*2日本歯科大学小児歯科学講座*3日本歯科大学附属病院小児歯科*4日本大学松戸歯学部矯正学講座代表連絡先:*1〒157‐0073 東京都世田谷区砧6‐25‐16島津貴咲*1,*2/三井園子*1,*3/林 亮助*1,*4Movieスマホで動画が見られる!(使い方:P0参照)P159

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