ザ・クインテッセンス 2020年4月号
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子どもたちの  と    を育てる歯科医療口腔機能口腔機能歯列歯列チームで取り組む!166the Quintessence. Vol.39 No.4/2020—0952第回障がいをもつ子どもの口腔機能・摂食嚥下機能の問題4 日本全国の身体障がい,知的障がい,精神障がいの3区分における障がい者数の概数は,平成31年の時点で身体障がい児・者436万人,知的障がい児・者108万2千人,精神障がい者392万4千人となっています.人口千人当たりの人数では,身体障がい児・者は34人,知的障がい児・者は9人,精神障がい児・者は31人となります.複数の障がいを併せもつこともあるため単純な合計にはならないものの,国民のおよそ7.4%が何らかの障がいを有していることになります. そのため,一般歯科診療所に何らかの障がいをもった小児が受診する機会も増えてきています.なかには確定診断を下されていない小児や,軽度の発達障がいや脳性麻痺だとあえて申し出ない保護者もみられます.わが子の障がいを受け入れることが難しい状況にある保護者においては,信頼関係が得られるようになりやっと相談してくれるケースも少なくありません.また,歯科受診の際にどこへ行ったらよいのか悩まれる保護者も多く,受診したが障がいを理由に断られた,ということで数件受診して当院へたどり着いたという方もおります.一般歯科診療所でも標榜に「小児歯科」を掲げていれば,とうぜん障がい児が受診する可能性もあるわけです. 重度心身障がい児,医療的ケア児については,歯科医師やスタッフの知識や技能,診療所の設備問題により専門機関へ診療依頼をすることもあるかと思います.しかし,通院可能な障がい児や障がいの疑いのある小児が受診した際に,口腔機能の隠れた問題点を見いだしてアドバイスをしたり,専門機関へ紹介するなど良い方向へ導く手助けをしたりすることも,一般歯科診療所の重要な役割であると考えます. 連載4回目の今回は,一般歯科診療所にも受診が増えている障がい児に焦点を当て,疾病をもつ子どもたちが抱える口腔機能や摂食嚥下機能の問題についてご紹介します.はじめに*1医療法人社団百瀬歯科医院 歯列育成クリニック*2日本歯科大学附属病院小児歯科*3日本歯科大学生命歯学部小児歯科学講座*4日本大学松戸歯学部矯正学講座代表連絡先:*1〒157‐0073 東京都世田谷区砧6‐25‐16三井園子*1,*2,島津貴咲*1,*3,林 亮助*1,*4

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