ザ・クインテッセンス 2020年5月号
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今こそ 始めよう!口腔内スキャナーによるインプラント補綴̶最新エビデンスに基づく臨床と適応症拡大のための新テクニック̶48the Quintessence. Vol.39 No.5/2020—1088特 集 1Yuya Sasadaキーワード:口腔内スキャナー,インプラント補綴,スキャンボディ,IEOSテクニック福岡県勤務 船越歯科歯周病研究所連絡先:〒810‐0001 福岡県福岡市中央区天神1丁目4‐1 西日本新聞会館15F笹田雄也Intraoral Scanners for Implant-supported Dental Prostheses “最先端のデジタルデンティストリー”という言葉を聞いて,どんなことを思い浮かべるだろうか? 昨今,デジタル技術はさまざまな分野でその応用に広がりをみせているものの,あまりなじみのない歯科医師からは「実際よくわからない.とっつきにくい」という戸惑いの声をよく耳にする.実は,CAD/CAM冠やジルコニアクラウンなどを臨床に取り入れていれば,デジタルを応用した歯科医療を行っていることにはなる.ただし,この場合,石膏模型のスキャニングなど,実際のデジタルを応用したワークフローを行っているのはラボサイドのみであり,歯科医師はデジタルに「間接的」にしかかかわっていない.そのため,デジタルの恩恵を直接感じることができないまま,デジタルデンティストリーという言葉が一人歩きしている感もある. このような現状にある一方で,口腔内スキャナー(以下,IOS)は今後,急速な普及とともに歯科医院のデジタル化の主役となることは想像に難くない.すると,今後はより多くの歯科医師がデジタルに「直接的」にかかわっていく必要性がでてくることになる.そこで本稿では,IOSならびにデジタルとの親和性がとくに高いインプラント補綴に焦点を絞り,これから「直接的にデジタルにかかわる歯科医師が知るべきこと」を解説していく.さらに,筆者らが行っている「IOSだからこそできる新しいテクニック」についても紹介してみたい.はじめに

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