ザ・クインテッセンス 2020年5月号
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49the Quintessence. Vol.39 No.5/2020—1089■アナログ印象 VS 口腔内スキャン図1 アナログ印象(左)と口腔内スキャン(右)のワークフローの比較.個人トレー製作やアンダーカットのブロックアウトなどの後にシリコーン印象を行ったうえ,さらに煩雑な技工操作が必要な従来法に比べ,口腔内スキャンのほうが明らかに多くの臨床,技工ステップを省略できる. IOSによるスキャンは基本的にはアナログ印象採得法の代替である.現在はスタディモデルの採得,天然歯の補綴修復,インプラント治療,矯正治療や有床義歯などに幅広く応用されている. そのなかでもインプラント補綴における口腔内スキャンは,印象コーピングを応用した従来のアナログの印象採得法と比較して,優位性が非常に高いと考えられる.なぜなら,印象コーピングと個人トレー,ならびにシリコーン印象を用いた従来のアナログ印象よりも口腔内スキャンのほうが明らかに多くの臨床ステップ,そしてそれに続く技工ステップを省略できるからである(図1).また,アナログ印象よりも患者に好まれ,コストも削減できるうえ,さらに印象にかかる時間も短いという報告が数多く存在する1〜5(図2). このように,インプラント補綴におけるIOSの適応は,歯科医師,歯科技工士,患者のすべてにとってメリットが非常に大きいことから,今後急速に広がっていくのではないかと考えられる.1.インプラント補綴における口腔内スキャナーの利点アナログ印象口腔内スキャンVS

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