ザ・クインテッセンス2020年8月号
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外科的矯正治療を回避する成人のオープンバイトの治療法32the Quintessence. Vol.39 No.8/2020—1826特 集 1 それらのすべてではないにせよ,外科的な治療を回避できるならば,患者にとってはより有益な治療となり得る.また,最終的に歯冠修復治療が必要になる場合であっても,可及的に保存的な修復治療(conservative restorative treatment)を提供することも同様に,患者に対してより有益な治療結果を提供できると考える. 本稿ではその具体的な方法を,中等度の歯性によるオープンバイトおよび重度の骨格性によるオープンバイトの症例を提示し,その治療方法を紹介させていただきたい.はじめに 成人のオープンバイトの治療法は現在,軽度から中等度の歯性によるオープンバイトの症例であれば,歯科矯正単独治療を選択し,前歯部におけるオーバーバイトが-5mmを超える骨格性によるオープンバイトの症例であれば,顎矯正治療(いわゆる外科的矯正治療)を選択する必要があると認識されている.しかし,開咬量が大きい難症例患者であっても,外科的な治療を受け入れることが困難な場合もある.Treatment Approach to Open-Bite Case Avoiding Orthognatic Surgeryキーワード:counter clockwise rotation of mandible,大臼歯の近心位への移植,アンカースクリュー,Esthetic Plane of Occlusion,conservative restorative treatment,the facial thirds埼玉県開業 荒谷デンタルクリニック連絡先:〒344‐0061 埼玉県春日部市粕壁1‐9‐46荒谷昌利Masatoshi ArayaMovieスマホで動画が見られる!(使い方:P3参照)P35,42,47,51

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