ザ・クインテッセンス2020年8月号
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臼歯部根管治療後の健全歯質を可及的に保存した修復治療の提案54the Quintessence. Vol.39 No.8/2020—1848特 集 2はじめに 近年,臼歯部根管治療歯に対して健全歯質を可及的に保存した窩洞/支台歯形成を行い,そこに直接法あるいは間接法により,最小限の修復物を接着する修復法が,欧州の臨床家らを中心に提案され1,2,日本においても臨床応用されはじめている3,4. 筆者は学生時代,またその後の臨床の現場においても「臼歯部根管治療歯には,クラウン修復のみが治療の選択肢になる」と教わり,それまではそのとおりに治療を行ってきた.そのため,この修復法の存在には驚かされ,同時に「臼歯部根管治療歯=クラウン修復」との教えを妄信し,その根拠を求めたことがない自分に気づいた(図A). そこで,この根拠を探るべく,再度自分なりに文献を渉猟すると,その根拠となった論文に対する疑問や,接着技術を生かした臼歯部根管治療歯修復方法の新たな知見が得られたので,以下に紹介してみたい.A Suggestion of an Adhesive Restorations for Endodontically Treated Posterior Teethキーワード:臼歯部根管治療歯,クラウン修復,PIAR,残存歯質,接着修復東京都勤務 杏雲ビル歯科連絡先:〒101‐0062 東京都千代田区駿河台2‐2‐1Fkeirpro@gmail.com依田慶太Keita Yoda講演者論文講演者論文

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