ザ・クインテッセンス2020年8月号
6/9

荻野真介はじめに 地方都市の裏通りに面する筆者の医院は,田畑や海に囲まれており,そこは「田舎町」というにふさわしいロケーションである. しかし,地方に住んでいる患者も都市に住んでいる患者も,歯科治療に対する希望はみな同じで「より健康的な美しい歯で,美味しく・楽しく・長く・暮らしたい」というものであると筆者は考える.よって,「地方だから最新のテクニックや機器は必要ない」とならないのは自明の理である.筆者の医院は「田舎でも都会でも関係ない!」というスローガンのもと,日々切磋琢磨している. 2014年,筆者の医院はリニューアルとともに,院内技工システムを構築するために,歯科技工士を2名雇用し,Straumann社CARESシステムを導入した.さらに2017年,口腔内スキャナー(Intraoral Scanner:以下,IOS)であるTRIOS3(3Shape,Straumann)を導入し,院内のデジタル化に取り組んでいる.インプラントにおけるガイデッドサージェリーにおいては,2013年よりStraumann Guided Surgery Systemを使用している. 筆者の医院の歯科技工士にとっても,初めてのデジタルデンティストリーであったため,ともに学び試行錯誤しながら現在に至っている. そこで本稿では,地方で開業する歯科医師である筆者が,デジタルデンティストリーに取り組む際に押さえておきたい基本的なポイントを,症例とともに紹介したい.デジタルデンティストリーを導入するメリット・デメリット 歯科領域においても,コンピュータの普及によってさまざまな機器や新材料の開発が行われた.これにより,より高い次元で多種多様化するニーズに対応できるような技術革新が行われ,もはやデジタルデンティストリーは,より安全で安心な歯科医療を提供できるものであると誰もが認識する時代である. チェアサイドでは,インプラント治療における診査・診断~手術までの一連の流れが確立され,よりEffective Application in Digital DentistryShinsuke Oginoキーワード:デジタルデンティストリー,IOS,前歯部インプラント補綴福岡県開業 おぎの歯科医院連絡先:〒819‐1601 福岡県糸島市二丈深江868‐5デジタルはこう活かす!これからデジタルデンティストリーに取り組む際に押さえておきたいポイント講演者論文講演者論文Movieスマホで動画が見られる!(使い方:P3参照)P114,118104the Quintessence. Vol.39 No.8/2020—1898

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る