ザ・クインテッセンス2020年9月号
4/9

After COVID-19時代の歯科治療を考えるマイクロドレープを用いた飛沫感染対策の提案76the Quintessence. Vol.39 No.9/2020—2128はじめに 2020年は,地球人として忘れられない年になってしまった.新型コロナウイルス感染症が地球規模で広がり,WHOからパンデミックと宣言がなされ,日本でも緊急事態宣言が発出された.しかしそれ以降も日常生活や社会生活は大きく制限を受け,さらなる変革が求められている. このウイルスによる感染は唾液を介しても生じることから,マスクの着用やソーシャルディスタンシング,リモートワークの導入,ビニールカーテンの設置など,“新しい生活様式”へと一気に変わることが社会全体に求められている.唾液との接触や,その飛沫からの感染を避けようとする対策が普及するにつれ,唾液の発生源である口腔を扱う歯科医療の特殊性が際だつことになった. 肉眼やルーペでの歯科治療では,術者の顔を患者の口腔から20~30cm近づけなければ治療対象部位が見えないため治療できない.唾液の発生源から至近距離に眼,鼻,口というウイルスの入り口である粘膜を3つとも近づけ,しかも,回転切削器具や超音波器具などで飛沫を生じさせるのが歯科治療であり,感染予防対策としては“最悪”なことをするわけである.これらの対策は歯科医療の喫緊の課題である. 本稿では,2020年4月25日(土)にYouTube上で行った「日本顕微鏡歯科学会 第1回Webセミナー」内で紹介したマイクロスコープを用いた感染予防策を中心に,その後,改善を加えながら当院で行ってProposal of Measures Against Droplet Infection Using Micro-Drapeキーワード:新型コロナウイルス, 飛沫感染対策,マイクロドレープ東京都開業 デンタルみつはし連絡先:〒156‐0043 東京都世田谷区松原3‐28‐6‐1F三橋 純Jun Mitsuhashi特 集 3Movieスマホで動画が見られる!(使い方:P3参照)P77,82,86

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る