ザ・クインテッセンス2020年9月号
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第3回(最終回):withコロナ時代に求められる        歯科医療の転換のカタチwithコロナ時代の歯科医療緊急特別連載(全3回)89the Quintessence. Vol.39 No.9/2020—2141はじめに 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はいまだ解明されていない点が多く,ワクチンの開発も治験段階に入っているものの,十分な有効性の確立にはまだ至っていない.多くの国において経済活動が再開される一方で,いわゆる第二波が訪れ,新規の感染者数は増加傾向にあるようだ.しかしながら,重症化する患者数や死亡者数は一時期のピーク時と比較すると,かなりの減少傾向にある.しかし,ワクチンや特効薬が開発されCOVID-19による重症化や死亡者が完全になくなるまでは,しばらく感染対策をしながら生活を続ける“withコロナ時代”が続くことが予想される. 連載最終回となる今回は,このコロナ禍で人々の意識はどのように変わり,それに対して私たち歯科医療はどのような対応・転換をしていくべきなのか,検討してみたい.1.「コロナ」による生活の変化 新型コロナウイルスの登場は,すべての人間にとってあまりに想定外な脅威であり,誰もが今までに体験したことがないような状況に見舞われた. 個人レベルでは,外出規制によりさまざまな行動において自粛を強いられ,“STAY HOME”を合言葉に,家に滞在する時間が非常に長くなった. 日本人は世界的にも早期の段階でマスクを着用し,手洗い・うがいを励行し,人から人への感染防御に対する意識が諸外国と比較して高かった.密集を避Katsuichiro Maruo東京都開業 三軒茶屋マルオ歯科連絡先:〒154‐0004 東京都世田谷区太子堂4‐23‐15‐2F丸尾勝一郎Dental Care in the Era of “with Corona”Part3.Transformation of Dental Care in the Era of “with Corona”キーワード:新型コロナウイルス感染症,COVID-19,SARS-CoV-2【連載一覧】第1回:COVID-19の概要とアンケート結果からわかる歯科医院の日本における対応の現状第2回:歯科医院を取り巻くCOVID-19感染状況とその対策の実際第3回:withコロナ時代に求められる歯科医療の転換のカタチ講演者論文講演者論文※本稿は2020年7月9日に執筆されたものです.

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