ザ・クインテッセンス2020年9月号
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45the Quintessence. Vol.39 No.9/2020—2097さらに,前歯部においても,隣接歯とジルコニアのグラデーションが近似している場合や,多数歯/全顎的にクラウン修復を行う場合など,歯冠色の問題がそれほど問われない場合は,第三世代ジルコニアをモノリシックレストレーションとして使用することが可能である(症例6:図11a~e,症例7:図12a~l).まとめ:第三世代ジルコニアの現時点の結論●第二世代ジルコニアと同様に透光性を有し,かつその透明度にグラデーションを有している●モノリシックレストレーションとして使用される●臼歯部クラウンの第一選択になる●症例の条件によっては,前歯部クラウン・ブリッジにモノリシックレストレーションとして使用できる図11d ₂の治療終了後,₁の支台歯形成を行った.図11e ₁へのモノリシックジルコニアクラウン装着時.このように,隣在する天然歯と高いレベルで調和しているとはいえないが,患者の要望には十分な結果が得られたと思われる.図11b 第三世代ジルコニアを使用した₂のモノリシックジルコニアレストレーション.図11c ₂へのモノリシックジルコニアクラウン装着時.図11a 患者は38歳の男性,会社員.₁と₂の連続していない複数歯修復症例.ともに隣在する天然歯との色の調和が難しい症例になるが,患者は色の調和はさほど気にしないとのことであったので,堅牢さを優先させて第三世代ジルコニアをモノリシックレストレーションとして使用した.₂より治療を開始し,写真はその支台歯形成時.支台歯歯根に変色を認めたため,唇側のフィニッシュラインを歯肉縁下約1.2mmに設定した.第三世代ジルコニアを使用して中切歯,側切歯クラウン修復を行った症例症例6図11b図11c図11d図11e

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