ザ・クインテッセンス2020年10月号
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のポイント歯肉ラインから考える前編:前歯部審美補綴の検査・診断マージン形成36the Quintessence. Vol.39 No.10/2020—2334はじめに 近年の「歯並びと矯正歯科治療」に関する意識調査において,歯並びは第一印象を左右すると回答した人が72.6%にものぼる1など,日本人の歯の審美に対する関心は高まっており,今後さらに審美的な関心は大きくなっていくと予想される.また補綴治療において“審美”を考えたとき,顔貌との調和や補綴装置の審美性が着目されてきたが,最近では,歯肉の審美性も求める患者が増えてきているように感じる.そのなかで筆者は,“審美補綴”には3つの条件が達成される必要があると考えている(図A). 本稿では,前歯部審美補綴の“歯肉ライン”に着目した.審美補綴は,その審美性のために補綴マージンを歯肉縁下に設置する(生体を侵害する)必要があることが多い.つまり補綴装置と歯周組織が生物学的に調和し,審美的で健康的な歯肉ラインを形成し12 Points for Margin Formation from The Gingival Lineキーワード:歯肉ライン,マージン形成,審美補綴, Supracrestal tissue attachment(骨縁上付着組織)福岡県開業 むらかわ歯科クリニック連絡先:〒816‐0802 福岡県春日市春日原北町5‐8‐1村川達也Tatsuya Murakawa特 集 1

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