ザ・クインテッセンス2020年10月号
2/9

“前歯部補綴”を審美的にするためには何が必要なのだろうか……?“審美補綴”の3つの条件①審美的な補綴装置・歯肉ライン②健康的な歯周組織③機能的な補綴装置歯肉ラインから考えるマージン形成12のポイント● 歯槽骨形態● 歯の植立位置● 歯軸方向● 歯冠・歯根形態● フェノタイプ● 骨縁上付着組織前編本稿にて解説123456● 補綴形態● 軟組織形態● 印象● 補綴装置● 機能● 接着後編12月号掲載予定789101112マージン形成のための検査生体条件とマージン形成の関係マージン位置の設定歯肉ラインの調整方法新しいマージン形成コンセプト最終補綴装置・歯肉ラインの安定審美補綴には,①審美的な補綴装置・歯肉ライン,②健康的な歯周組織,③機能的な補綴装置の3つの条件が達成される必要がある.そのためには上記の“歯肉ラインから考えるマージン形成12のポイント”が重要になると考えている図A図B37the Quintessence. Vol.39 No.10/2020—2335ていくためには“マージン形成”が重要なポイントとなる. 読者の先生方のなかには,審美補綴を行ううえで,患者個々の条件や材料の変遷などによってマージン形成の方法を試行錯誤し,頭を抱えている先生も多いと考えられる.そこでその問題点を,“歯肉ラインから考えるマージン形成”として12のポイントに分けて解説していく(図B).実際の臨床において個々のポイントは,独立しているわけではなく連動しているが,前編は①~⑥までの検査・診断,後編では⑦~⑫までの臨床・実践を中心に解説し,なるべく明日からの臨床に取り入れられるように構成している. ただし,前歯部補綴であってもlow lipや進行した歯周病を有するケースなどで,審美より歯周組織の安定を最優先にしているケースは,本稿から除外していることをご理解いただきたい.

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る