ザ・クインテッセンス2020年10月号
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根尖病変大に対するきな根管治療56the Quintessence. Vol.39 No.10/2020—2354 根尖病変が大きい場合に,「治りが悪そうだから」と抜歯を選択する先生もいるかもしれない.しかし,筆者自身は病変の大きさだけで抜歯の判断を行うことはない.EBMの実践を心がけ,歯根破折の有無, 日常臨床において“大きい根尖病変”を発見した場合,通常の根管治療では治らないのではないかと考え,抜歯や嚢胞摘出術などの外科的対応が選択されがちである.しかしながら,やはりまずは保存的な治療を検討すべきであり,実際多くの症例で適切な根管治療を行うことにより大きな根尖病変であっ残存歯質の量,歯周病の状態,対合歯や隣接歯などの状態,患者の希望,紹介元の歯科医師の希望などを基に判断している.もちろん,口腔外科での対応が適切と思われる腫瘍・嚢胞が疑われる場合には,ても治癒に導くことができている. 本稿では,大きな根尖病変をもつ歯をどのように診断し,どのように治療計画の立案・説明を行うか,そして具体的にどのように治療を進めていくのかなどについて,解説したい.特 集 2Toshihiko Yoshioka広島県開業 吉岡デンタルキュア Endodontics連絡先:〒730‐0051 広島県広島市中区大手町1丁目8‐17 木定ビル3F吉岡俊彦キーワード:歯内療法,根管治療,大きな根尖病変Endodontics for Large Periapical Lesionはじめに1.“大きな根尖病変”の治療方針・治癒について

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