ザ・クインテッセンス2020年11月号
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深在性う蝕における治療選択ディシジョンツリーで考察する32the Quintessence. Vol.39 No.11/2020—2572深在性う蝕における永久歯歯髄保存治療はじめに 深在性う蝕における永久歯歯髄保存治療は,われわれ歯科医師の日々の臨床のなかで触れる頻度は非常に高い.象牙質/歯髄複合体という概念を考えれば,う蝕が象牙質に至っている時点で歯髄保存治療を行っていると考えるべきである.う蝕を取りきって健全象牙質が一層介している場合(図1),迷いなく歯髄保存治療に踏み切ることができ,かつその手技も明確である. しかし,そこに露髄が起こると(図2),露出した歯髄をどう扱い,どのような方向性で治療していくかについては大きく意見が異なってくる.歯髄を残し,歯の長期的な健康を得ることはわれわれ歯科医師にとっての命題であるが,深在性う蝕を介するとその先にある歯髄の状態は多岐にわたる.そこには,歯髄を残すという選択肢だけではなく,抜髄し歯髄A Choice of Treatment for Deep Caries Consider from a Decision Treeキーワード:歯髄保存,深在性う蝕,間接覆髄,直接覆髄,断髄東京都開業 恵比寿ヘンミデンタルオフィス連絡先:〒150‐0021 東京都渋谷区恵比寿西2‐2‐8‐4F辺見浩一Kouichi Henmi特 集 1講演者論文講演者論文

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