ザ・クインテッセンス2021年1月号
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新連載1億円歯科医院の作り方:開業編142the Quintessence. Vol.40 No.1/2021—0142田中健久*1/今井健二*2*1東京都開業 医療法人社団 歯科タナカ連絡先:〒150‐0002 東京都渋谷区渋谷1‐14‐9‐6F*2愛知県開業 医療法人社団 修愛会 上前津歯科医院連絡先:〒460‐0011 愛知県名古屋市中区大須4‐11‐17第1回開業前から明確な目標数値を把握しよう以前に比べて開業が難しくなってきている?筆者(田中)が開業したのは15年ほど前ですが,その頃に比べると開業して成功することが難しくなってきているように思います.理由は,歯科医師の数が増えて開業件数が増えていることももちろんありますが,それだけではありません.15年前は開業セミナーや経営セミナーなどはほとんど開催されておらず,開業に関しての知識がほぼない状況のなか,業者の方にいろいろと聞きながら開業するというパターンがほとんどでした. では,現在はどうでしょうか? セミナーは頻繁に行われており,ほとんどの歯科医師は開業する前にさまざまな知識で武装してから,いざ開業という方が多くなっています.このような歯科医院開業が増えていることから以前に比べてライバルも多く,その知識レベルも技術レベルも,以前よりも数段上っているように感じます. 今後の開業は,以前にも増してどんどんライバルのレベルが上がってくるので,開業して成功することが困難となってくると考えられます.また,開業した後も新しく開業する歯科医院レベルが上がってくるので,うかうかしていられない時代となってくるでしょう.連載にあたって「1億円歯科医院の作り方」というセミナーを始めて,もうかれこれ8年以上が経ちました.始めた当初は「1億円歯科医院なんて本当に可能なのか?」という感想がほとんどでしたが,最近ではセミナーを受けた歯科医師のなかでも1億円の売上を上げる歯科医院が徐々に多くなっています.そして,そのほとんどが開業する前から1億円歯科医院を目標に取り組んでいます.歯科医院を開業するにあたって,はじめから1億円歯科医院を目指して開業するのか,それとも何の目標もなく開業するのかでは,後で大きな差となって結果が現れているようです. 何事も目標(ゴール)があって目指すのと,何も目標(ゴール)がないなか,ただがむしゃらに走るのでは結果が変わってきます.そこで私たちが提言するのは,1億円をめざした歯科医院作りを開業前より行っていこうという目論見です.米国では,学生教育のなかに診療所経営学があり,銀行ローンから返済方法,米国の特殊な保険制度や法律まで学ぶことができるそうです.日本ではこれらのことを学ぶ機会が教育課程に組み込まれておらず,開業する時になって初めて目の当たりにするという状況ですが,近年になり少し環境が変わり始めています.

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