ザ・クインテッセンス2021年1月号
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明日の臨床から使える!新連載“歯周病の新分類”使い方ガイド174the Quintessence. Vol.40 No.1/2021—0174 日本歯周病学会では,日本の新分類の使用に関して2020年を移行期間とし,本格実施は2021年度からとなっている.しかし,グレードやステージ,または診断名などの判断にわかりづらい部分が多く,日本の旧分類と同じように使用することで,各歯科医師で違う判断をしてしまっているように感じる. また,日本の新分類の基になっているAAP/EFPの新分類は,合計23本の論文から構成されており,非常に情報量が多く,かつ英語での記載であったことからも,日本国内では混乱が生じているように感じた. 本連載では,日本の新分類への対応について,複雑かつ多量の情報のなかから必要な部分を抽出し,ディシジョンツリー,症例を交えながら簡潔に解説していきたいと考えている.AAP/EFPの新分類の日本語版が発売されているため3,より深く知りたいと感じた読者はそちらも参照していただきたい.本連載の企画趣旨について 2018年6月,米国歯周病学会(AAP)・ヨーロッパ歯周病連盟(EFP)より歯周病の新分類(以下,AAP/EFPの新分類)が公表された1.その後,日本歯周病学会でもその新分類(以下,日本の新分類)への対応について2019年12月に公表された2. 今回の新分類で大きな変化が示されたのは歯周炎の分類となっており,1999年にAAPで定められた分類では,歯周炎を慢性歯周炎と侵襲性歯周炎の2つに大きく分けていたが,日本の新分類では,慢性歯周炎,侵襲性歯周炎と分けたうえで,ステージとグレードと呼ばれる新しい診断のフレームワークが導入されることとなった(本連載をとおして“遺伝疾患にともなう歯周炎”は歯周炎の分類から割愛することをご了承いただきたい).辻 翔太大阪府開業 歯周病治療専門クリニックSPIDO連絡先:〒530‐0012 大阪府大阪市北区芝田1‐4‐14‐3F第 回1総説

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