ザ・クインテッセンス2021年1月号
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33the Quintessence. Vol.40 No.1/2021—0033はじめに 昭和57年,29歳で生まれ故郷で開業した.以来大過なく38年が経過し,そろそろ引退を考える歳である.大学院で歯科材料学を専攻したものの,臨床にはすぐに役立つことがなかった.ペリオ,エンド,外傷歯など,わからないことだらけの毎日が続き,それらを改善すべく猪突猛進で講演会,論文検索,治療に邁進した.しかし,これまでの臨床を振り返ると,恥ずかしさや愚かさだけが記憶に残る.いつになれば「よい歯科医師」になれるだろうかと悩む毎⁃治療方針を考える図1a図1b図1c図1defg図1a~d 初診時.8歳11か月の女児.主訴は₂の歯冠-歯根破折の治療.EPTは(+)であり,自発痛などの不快症状はない.わずかに動揺度が高いが,日常生活に支障はなさそうである.図1e~g 初診時のCBCT像.破折線は唇側では骨縁上に位置している.

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