ザ・クインテッセンス2021年1月号
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65the Quintessence. Vol.40 No.1/2021—0065篤となるとされている.2)パラファンクションが関与する知覚過敏 日常臨床において,たとえば次に挙げるような,従来からいわれている「知覚過敏」では説明できない症例にしばしば遭遇する.1症状の発現や消失に波がある.2一般的な知覚過敏の治療法を用いても症状が完全には消失しない,あるいはまったく改善しない.3複数歯において同じような実質欠損があるにもかかわらず,知覚過敏の症状のある歯とない歯が存在する.4視診やエックス線診査などで異常がないにもかかわらず,重篤な症状や壊死を起こしているものがある.5補綴装置や修復物を装着するまでは無症状であったものが,装着後に誘発痛や自発痛を訴えることがある. 上記に該当する症状が見られる場合,パラファンクション(図2)が関与して知覚過敏症状が惹起されているのではないかと考えられる.根面露出による知覚過敏図1a,b この症例のように根面露出により知覚過敏症状が起こってるが,頬側に転位していることから咬合に関与がない症例も存在する.図2 パラファンクションはさまざまな弊害を引き起こす. ブラキシズム ・タッピング ・クレンチング ・グラインディング 口腔悪習癖 ・弄舌癖 ・偏咀嚼          などパラファンクションとは… 歯の咬耗や摩耗(NCCLを含める)    知覚過敏 顎関節症    補綴装置の破損や脱離 歯冠や歯根の破折    肩こり 偏頭痛    咬合時の違和感 義歯粘膜面の疼痛    歯周病 非感染性歯痛    舌痛 口内炎          などパラファンクションによる弊害1135791113246810122パラファンクションとその弊害ab

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