ザ・クインテッセンス2021年2月号
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ここまでわかった再生歯内療法「リバスクラリゼーション」の「現在」36the Quintessence. Vol.40 No.2/2021—0294Current Insights into “Revascularization”キーワード:リバスクラリゼーション,再生歯内療法,Regenerative Endodonitcs,根未完成永久歯東京都開業 瀧本歯科医院/米国歯内療法専門医連絡先:〒181‐0013 東京都三鷹市下連雀3‐36‐1‐3F瀧本晃陽Koyo Takimoto 本稿における「リバスクラリゼーション」とは,従来はアペキシフィケーションが適応とされてきた,歯髄壊死をともなう根未完成永久歯に対する治療法の選択肢のひとつを指すものである. 本誌においては,2014年7月号掲載の牛窪と梅田による「歯根未完成歯を救え! パルプ・リバスクラリゼーションの科学と臨床」1,2016年3月号掲載の岩谷による「リバスクラリゼーションを再考する」2,2016年7月号掲載の下野による「リバスクラリゼーションの病理学的考察」3の3本の論考が掲載された.海外においては,American Associa-tion of Endodontists (以下,AAE)の学会誌であるJournal of Endodonticsにおいて“Regenerative Endodontics”の項目が2016年1月号より追加され4,現在もこの領域においての文献的報告や研究は増加の一途をたどっている.さらに,ここ数年の間に根未完成歯に対するリバスクラリゼーションの応用が普及し,サンプル数の多い臨床研究や,よりエビデンスレベルの高い研究が発表されている. 症例数,報告数の増加にともない,治療の予後に関する報告とそこから得られたリバスクラリゼーションの失敗症例をとおして,リスクファクターも明らかになりつつある. 以上のことに加え,本稿では近年の知見をふまえつつ,2020年時点における「リバスクラリゼーション」の「現在」について概説するものである.はじめに特 集 1

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