ザ・クインテッセンス2021年4月号
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163the Quintessence. Vol.40 No.4/2021—0933連 載Flap stabilitySoft tissue preservationからみたと再生療法(全5回)はじめに 前号では,リグロスについて,自家歯牙移植を通じて歯根膜への有用性を,口蓋移植部位の治癒を通じて軟組織への有用性を報告した.また,再生療法時の術前の診断において角化歯肉の厚みと幅がいかに重要であるかをKatayama/Funatoの分類を紹介し,根分岐部病変へのアプローチを言及した.また2月号では,根面被覆での結合組織移植の長期予後を報告し,歯槽骨上に設置された結合組織が骨へと置換する可能性を報告した.本稿では,再生療法における結合組織移植の併用の有効性と,骨欠損の状況に応じたフラップデザインについて考察する.1.再生療法における結合組織移植の併用について 抜歯窩の形態変化に関する報告1がある.「グループ1」では抜歯窩をBio-Ossコラーゲンで充填しソケットシール(遊離歯肉で抜歯窩を閉鎖)を行い,「グループ2」ではグループ1と同じ処理に加えて,頬側骨外側にGBR法で骨造成を行い,「グループ3」ではグループ1と同じ処理に加えて,頬側骨は手用スプレッダーで内側から外側に力を加え若木骨折を行い(すなわち,グループ2・グループ3は抜歯窩の唇側骨吸収を見据え,2種類のオーバーコレクションを行っている),グループ4ではグループ1と同じ処理に加えて,唇側に結合組織移植のみを行った.そ再生療法における骨欠損からみたフラップデザインのdecision making tree第4回Regenerative Therapy from a Viewpoint of Flap Stability and Soft Tissue PreservationPart 4. Decision Making Tree of Flap Design from the Viewpoint of Bone Defect in Regenerative Therapy*1石川県開業 なぎさ歯科クリニック/*2大阪府開業 南歯科医院/*3東京都開業 有楽町デンタルオフィス*1代表連絡先:〒920‐0031 石川県金沢市広岡2‐10‐6船登彰芳*1/南 昌宏*2/片山明彦*3Akiyoshi Funato, Masahiro Minami, Akihiko Katayama

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