ザ・クインテッセンス2021年6月号
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歯周基本治療からはじまる歯周組織再生療法へのアプローチ再生療法の出番を考える32the Quintessence. Vol.40 No.6/2021—1386特 集 1An Appropriate Application of Periodontal Regenerative Therapy:A Practical Approach to the Periodontal Tissue Regeneration Beginning with Initial Periodontal Therapyキーワード:歯周組織再生療法,歯周基本治療, OFD,適応症埼玉県開業 斉田歯科医院連絡先:〒359‐1146 埼玉県所沢市小手指南2‐9‐10斎田寛之Hiroyuki Saidaはじめに 近年,歯周組織再生療法(以下,再生療法と略)は成長因子の開発やさまざまな切開線の改良により,大きな進化を遂げている.再生療法により予後不安な歯の付着を獲得することができれば,歯の保存はより予知性の高いものになるであろう.歯の長期保存のために,再生療法は有効な選択肢の1つであると考える.一方で,再生療法を使わなくても,歯周基本治療や従来から行われてきた歯周外科であるオープンフラップデブライドメント(以下,OFDと略)で改善する歯も多く,テクニックセンシティブな手技である再生療法をどのような症例に適応すべきかを慎重に見極める必要がある. 本稿では,再生療法を行ううえでの適応症について,まずは患者個人の自然治癒力(回復力)に着目したうえで,一歯単位における適応症について考えていきたい.再生療法のプロトコルやディシジョンツリーはいままでにもいくつかだされており,それら

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