ザ・クインテッセンス2021年6月号
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ペリオ?それともエンド?この病変,194the Quintessence. Vol.40 No.6/2021—1548木村文彦*/黒崎盛和*/吉岡隆知*1*神奈川県開業 ワンラブデンタルクリニック*1東京都開業 吉岡デンタルオフィス代表連絡先:*〒238‐0007 神奈川県横須賀市若松町2‐30‐5Fエンド-ペリオ病変が疑われる下顎右側第一大臼歯第6回(最終回)診断力アップ!連載 エンド-ペリオ病変が疑われる症例の概要と画像検査所見から,その診断(Simonの分類 TypeⅠ~Ⅲ or その他から選択)と治療方針を考えてみよう!Question症例の概要(木村・黒﨑症例)患者:60歳,男性.主訴:「歯ぐきが全体的に腫れて痛い」.患歯:下顎右側第一大臼歯(図1,2).現症:前歯部の腫脹が著しく,下顎右側第一大臼歯はそれほどではないが,腫脹がみられた.咬合痛(±),打診痛(±),動揺(-),歯髄診は,刺激に対して他歯とは異なる感覚だったが,明確ではなかった.寒冷診(±),電気診(±).全身疾患:高血圧のため,Ca(カルシウム)拮抗剤を服用中.Simonの分類その他プライマリーエンド(エンド〔歯内療法疾患〕が原因で,ペリオ〔歯周病〕へと進行していくもの)プライマリーペリオ(ペリオ〔歯周病〕が原因で,エンド〔歯内療法疾患〕へと進行していくもの)トゥルーコンバインド(純粋にエンド〔歯内療法疾患〕とペリオ〔歯周病〕の両方に原因があるもの)・歯根破折やクラック・穿孔・外部吸収(AAP&EFPによるエンド-ペリオ病変の新分類の「歯根にダメージのあるエンドペリオ病変」に該当するもの)失活TypeⅠ生活TypeⅡ失活TypeⅢ遠心12341233舌側頬側近心企画趣旨:本連載はエンド-ペリオ病変と思わしき症例の画像資料やプロービング値などの情報を基に,読者にその診断と治療法を考察していただく.そのうえで,筆者らによる歯周病学および歯内療法学的視点からの考察を示し,最後にその治療結果を明らかにし,エンド-ペリオ病変の原因の特定に迫っていく.図1a,b 下顎右側第一大臼歯の頬側面観および舌側面観.歯肉腫脹とプラークの蓄積がみられた.また,下顎前歯部に著しい歯肉の腫脹と舌側に歯石の沈着がみられた.図2 患歯である下顎右側第一大臼歯の歯周ポケット(mm).ab₆

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