歯根端切除における歯冠-歯根比の悪化と“3mmルール”を検証する80the Quintessence. Vol.40 No.8/2021—1962特 集 3Review of Crown-Root Ratio and Amount of Root-end Resection in Endodontic Microsurgeryキーワード：外科的根管治療，歯冠-歯根比，根尖切除量，ベベル角宮城県開業 南光台歯科医院連絡先：〒981‐8003 宮城県仙台市泉区南光台2‐15‐24須藤 享Susumu Sudoはじめに 筆者が主宰メンバーの一員である歯内療法症例検討会（https://endodontic-study.jimdofree.com）において，外科的根管治療（歯根端切除術）の症例発表に対し，「歯根が短くなり歯冠-歯根比が悪化するため，外科的根管治療は極力避けるべきである」という意見を聞くことがある．たしかに，外科的根管治療によって「歯冠-歯根比の悪化」が生じることは事実である．では，実際の予後への影響はどうであろうか（図1）． 再根管治療歯の約9年後での生存率は，外科的根管治療（歯根端切除術）と非外科的根管治療（歯冠側からの再治療）で有意差はなかったとの報告1がある．言ってしまえば，これが「歯冠-歯根比の悪化による予後への影響は少ない」との答えなのであるが，結果論だけを示してすませてしまうのは説得力に欠ける． そこで，本稿では，もう少し論理的に説明できな
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