ザ・クインテッセンス 2021年12月号
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辰巳大貴*1/橋本正隆*2/中谷豪介*3/神戸 良*4/牛窪敏博*5*1兵庫県勤務 辰巳歯科医院連絡先:〒675‐1115 兵庫県加古郡稲美町国岡1464‐20*2奈良県開業 はしもと歯科クリニック連絡先:〒630‐8122 奈良県奈良市三条本町9‐21‐1F*3大阪府開業 なかたに歯科連絡先:〒550‐0001 大阪市西区土佐堀2丁目3‐5‐2F*4京都府開業 良デンタルクリニック連絡先:〒600‐8216 京都府京都市下京区東塩小路町579‐1‐7F*5大阪府開業 U’zデンタルクリニック連絡先:〒556‐0021 大阪府大阪市浪速区幸町1‐3‐19‐4FApical Vertical Limit40Daiki Tatsumi, Masataka Hashimoto, Gosuke Nakatani, Ryo Kambe, Toshihiro Ushikuboキーワード: 作業終末位,オーバーインスツルメンテーション,電気的根管長測定器the Quintessence. Vol.40 No.12/2021—2930 歯内療法の目的は根尖性歯周炎の予防と治療である.その目的を達成するためには,根尖性歯周炎の原因である細菌を除去することが必要である. 非外科的歯内療法において,細菌除去を行う手段としては「根管拡大形成」,「根管洗浄」,「根管貼薬」がある.そのなかでも根管拡大形成は,細菌除去を行うにあたり,もっとも効果的な主たる手段として考えられている1.その根管拡大形成において,「根尖の拡大号数(apical width)」と「作業終末位の決定を適切にすること(apical vertical limit)」については古くから議論され,さまざまな考え方が提唱されてきた2~6. 近年,根管拡大形成においては,SSファイルと比較して柔軟性が優れたNi-Tiロータリーファイルの登場により,短時間で歯根の解剖学的形態に留意した根管形成が可能となった7.根管の拡大号数と成功率の因果関係については議論の余地があるものの,根尖部の根管拡大号数の増加にともない根管内の細菌除去効果が高くなることは知られているとこ特 集 1Apical Vertical Limitはじめに作業終末位を再考する

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