ザ・クインテッセンス 2021年12月号
7/9

視える!拡大視野下のポジショニング174佐藤琢也*1/矢ケ崎隆信*2/廣田哲哉*3*1大阪府開業 サトウ歯科デンタルインプラントセンター大阪連絡先:〒538‐0044 大阪府大阪市鶴見区放出東3‐6‐9*2神奈川県開業 ヤガサキ歯科医院連絡先:〒214‐0001 神奈川県川崎市多摩区菅4‐3‐32‐2F*3福岡県開業 ひろた哲哉歯科連絡先:〒811‐1346 福岡県福岡市南区老司2‐7‐11‐2FDental Positioning for Microscopic DentistryPart5 Anterior MandibularTakuya Satoh, Takanobu Yagasaki, Tetsuya Hirotaキーワード: 診療姿勢,マイクロスコープ,鏡視法, 支台歯形成,マイクロサージェリーthe Quintessence. Vol.40 No.12/2021—3064 さて,本連載も今回が最終回.残すは下顎前歯のポジショニングについてのみです.その下顎前歯について,筆者の臨床感覚で申し上げるなら,歯石除去などの歯周治療の機会が多い一方で,補綴治療の場面に出くわすことは少ないように思われます. 厚生労働省による歯科疾患実態調査1を見てみても,上顎前歯に比べて下顎の中切歯,側切歯,犬歯が,平均寿命はおおむね5年程度長いと報告されているので,筆者の臨床現場で培われた豊かな感性(?)は,どうやら実際とはそれほど外れてはいないようです.それゆえに,下顎前歯の支台歯形成や歯周外科をしようとすると,「アレ? どうやって視ればよかったっけ?」と,戸惑うことが多いのも,この部位の特徴です. 難しいわけではないですが,かといって決して簡単でもない.術者にとってモヤモヤ感満載な部位が今回のテーマの下顎前歯なのです.まずはその「やさしい」と「難しい」を分析し,そのうえで下顎前歯の治療に最適な診療ポジションを吟味したいと思います.そして,最終回だからこそ,マイクロスコープ視野下の治療には欠かせないラバーダム防湿についても,私見を大胆に申し上げたいと思います.どうか最後までご一読を! 本連載第1回でマイクロスコープと各種の歯科治療との相性を述べましたが,下顎前歯部においても,診療姿勢の作り方第5回(最終回)下顎前歯部の診療姿勢と拡大視野下のラバーダム防湿はじめに1.下顎前歯の拡大視野下の治療がやさしいとき,そして難しいとき

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る