ザ・クインテッセンス 2022年6月号
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*福岡県開業 うえだ歯科代表連絡先:〒802‐0084 福岡県北九州市小倉北区香春口1‐13‐1‐2F瀬戸泰介竹中 崇筒井祐介津覇雄三芳賀 剛樋口克彦樋口琢善松木良介力丸哲哉 近年の歯科医療機器の発展には目覚ましいものがあり,CBCT,マイクロスコープ,CAD/CAMなど,筆者(上田)が大学卒業当時には研究段階であったものが歯科医療の現場に普及しつつある. 臨床的に確かな効果を認めるものであれば,臨床医としてはぜひ導入しておきたいところであるが,メーカーの謳い文句を鵜呑みにして購入したものの,いつの間にか診療室の片隅で埃をかぶっていたという苦い経験をした先生もおられるのではないだろうか.高価な医療機器となれば,なおさら導入に慎重にならざるを得ず,筆者にとってEr:YAGレーザーはその類の1つであった. 発売当初のEr:YAGレーザーに関しては,「回転切削器具を使用せずにう蝕の治療ができるもの」としての認識しかなかったため,導入の必要性をさほど感じなかったのが正直なところである.しかしながら,数年前に試用の機会を得て,歯周外科に応用P154,156,158,160,162(使い方:P11参照)第1回 軟組織・インプラント周囲炎・その他に第2回 う蝕治療への応用第3回 歯内療法への応用第4回 歯周治療・再生療法への応用したところ,その効果にたいへん驚かされた.すなわちEr:YAGレーザーを使用することで,筆者が歯周外科成功のための重要なポイントだと考える“炎症性肉芽組織の除去”を狭い骨欠損部まで苦労することなく見事に行えたのである. 購入を即決し,臨床応用するようになってからは,さまざまな場面で活躍していることを実感し,大きくその価値を見直すことになった.筆者が最初にEr:YAGレーザーの用途としてイメージしていたう蝕治療だけでなく,歯内療法,歯周治療,メインテナンスや軟組織への応用など,幅広い分野でその有用性を感じ,現在では筆者の臨床に欠かすことのできない医療機器の1つとなっている.監修:上田秀朗本連載の執筆者一覧(50音順)青木隆宜河島紘太郎倉富 覚、白土 徹対する応用本稿で解説!監修:上田秀朗*執筆:倉富 覚、/白土 徹/筒井祐介/津覇雄三/樋口克彦/松木良介/力丸哲哉151スマホで動画が見られる!the Quintessence. Vol.41 No.6/2022—1369第1回軟組織・インプラント周囲炎・その他に対する応用連載にあたって

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