ザ・クインテッセンス 2022年6月号
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図2a図2b2015.12.25❶歯根全体が歯槽骨内に植立されている❷鮮明な歯槽頂線と歯槽硬線が直角的に連続して認められる❸鮮明な歯槽硬線と歯根膜腔が薄く均等な幅で認められる❹鮮明かつ明瞭な歯槽骨梁が確認できる❺上顎では上顎洞底線が明確に認められる 次に根尖病変を有するケースを図2aに提示する.正常像の図1と比較し,異常を見出してほしい.自身で行った治療の成否の判定も,この5項目を満たすようになったか否かで行う(図2b). 情報量の多いデンタルを得るためには,適切な2021.11.30健康な歯周組織のデンタルエックス線画像と下川の5項目 画像診断の基本は正常像と異常像の判別である.いち早く異常像を察知するためには,まず正常像がどういったものであるかを理解しておく必要がある. そこで,まず下川先生が提唱された健康な歯周組織の5項目を示す(図1).この5項目には,画像診断における読影のポイントが凝縮されており,デンタルを見たら,かならずこれらの項目をチェックする癖をつけることが読影力の向上につながる.図1 下川公一先生が提唱されたこの5項目にはデンタル画像診断のポイントが凝縮されている1.図2 a:初診時のデンタルエックス線写真.下川の5項目に照らし合わせると,すべての項目から外れていることがわかる.b:初診より6年後のデンタルエックス線写真.歯内病変に深く関わる項目(図1の❸,❹,❺)に関しては,ほぼ理想的に回復している.41勘所1the Quintessence. Vol.41 No.6/2022—1259勘所2デンタルの正常像を頭に叩き込む歯内療法の診断を行うための適切なデンタルエックス線撮影ができているか?1.デンタルエックス線画像読影の勘所

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