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造影撮影法

【読み】
ぞうえいさつえいほう
【英語】
contrast radiography
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】造影検査法
【定義】病変部や臓器の内部あるいは周辺にX線減弱係数の差の大きい造影剤を導入してX線撮影を行い、その陰影によって目的とする病変や臓器の診断を行う方法の総称である。
【意義・目的】バリウム、ヨードのように原子番号の大きい、周囲組織よりX線吸収度の高い陽性造影剤や空気、酸素のように逆に周囲組織よりX線吸収度の低い陰性造影剤を用いて、通常のX線撮影ではコントラストのつかない病変部や臓器の内部あるいは周辺に造影剤を導入して、X線撮影を行い、周囲組織と良好なコントラスト画像を描出させ診断することを目的とする。
造影剤の種類には陽性造影剤に水溶性ヨード製剤、油性ヨード製剤および硫酸バリウム製剤などがあり、陰性造影剤に空気、O2、CO2、N2などの気体がある。
歯科領域では一般に水溶性ヨード製剤が使われ、陽性造影剤単独の単純造影法とそれに陰性造影剤の空気を併用した二重造影法が用いられる。前者の方法には唾液腺造影法、顎関節造影法、嚢胞造影法、上顎洞造影法および血管造影法などがあり、後者は顎関節二重造影法にのみ行われている。
なお、コンピュータ断層撮影法で造影剤を血管に注入して行う場合にはコントラストの強調contrast enhancementという。
【適応】唾液腺およびその周囲組織から生ずる疾患、顎関節症をはじめ軟部組織に異常が疑われる顎関節疾患、嚢胞、上顎洞炎、血管組織の腫瘍および類似病変などに適応される。