新動画サービスで業界活性化を目指す臨床家

2020年10月号掲載

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2020年10月号掲載

新動画サービスで業界活性化を目指す臨床家

プラットフォームの構築で歯科界の活性化につなげたい

 丸尾勝一郎氏(東京都開業)の活躍は、講演や執筆活動だけにとどまらない。2020年9月16日にリリースされる動画配信サービス「DENTAL WIDGET」の開発にも携わるほど、マルチで活躍する歯科医師だ。本欄では、今回の動画配信サービスを開発したきっかけや特徴、今後の展開などについてうかがった。

丸尾:昨今の新型コロナウイルス感染症拡大の影響によってセミナーや講演会があいついで延期や中止になるなど、新しい生活様式に対応した情報発信の形が私たち歯科医師のセミナーや講演会にも求められています。

 そのようななか、私は場所や時間に関係なくすべての歯科医療従事者がアクセスしやすい仕組みづくりを目指し、このたび動画配信サービス「DENTAL WIDGET」(以下、DW)の開発に携わりました。

 DWは、講演を行う歯科医師をはじめとする歯科医療従事者が自身のチャンネルをもち、情報発信を行うことができる業界初の動画配信サービスです。これまでの既存メディアでは困難だった、著作権が配信者個人に帰属する知的財産を守りながら、オウンドメディアとしてのプラットフォームを構築したいと考えたのです。

 DWの主な特徴として、個人のチャンネルの開設は完全無料となっており、コンテンツの配信者がみずから動画の視聴料を自由に設定することができます。このプラットフォームは、視聴数に応じた「PayPerView(ペイパービュー:有料コンテンツに料金を支払い視聴するシステム)」方式を採用しています。還元率は一律60%からと高還元率で開始でき、合計購入数とチャンネルフォロワー数に応じて最大65%まで還元率を上げることが可能となるため、一度動画をアップロードすれば効率的に報酬を受け取れる仕組みとなっています。

 また個人だけでなくスタディグループなどでリモート化を検討されている学術組織も増えてきていますので、ライブ配信やセミナーを録画しておくことでオンデマンド配信が可能となります。動画編集サービス(有料)もご用意していますので、撮影のみで手軽に動画を配信することもできます。

 これまで全国各地で歯科関連企業の研修会やセミナーの講師を務めていた先生方は、新型コロナの影響で収入がかなり減少していると思われます。自分で配信したいコンテンツを時間や量に左右されず自由に設定できる点は、これまでの既存のサービスと異なる部分であり、短い時間と低価格で視聴できる教育コンテンツのニーズは高いと自負しています。また私たちの業界は、歯科材料や器械・機械の進歩に影響することが多いので、将来的には書籍や雑誌とのコラボレーションや新製品を紹介できるようなチャンネルなどが実現できれば、夢はさらに広がります。

 今回のプラットフォームを構築することで歯科界の活性化につながり、より身近な存在になってくれることを願っています。