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上野尚雄氏が「がん専門病院の歯科の役割」をテーマに講演

2021年7月号掲載

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上野尚雄氏が「がん専門病院の歯科の役割」をテーマに講演

国民皆歯科健診を実現する会

講師を務めた上野尚雄氏(写真中央)。
講師を務めた上野尚雄氏(写真中央)。
 6月2日(水)、衆議院第二議員会館(東京都)において、国民皆歯科健診を実現する会(山田 宏事務局長、古屋圭司会長)による第4回勉強会が開催された。本会は、予防医療の観点から「国民皆歯科健診」の実現に向け、議員勉強会として2019年に発足。事務局長には、山田 宏氏(自民党参議院議員)が就任している。

 会場では、講師を務めた上野尚雄氏(国立がん研究センター中央病院歯科医長)による「がん患者の治療と生活を口腔から支える~がん専門病院の歯科の役割」と題する講演が行われた。上野氏は、国立がん研究センターの歯科における取り組みを紹介しながら、がん薬物療法中の口腔合併症や口腔トラブルの頻度の高さを強調。また口腔内の感染症の対応には、抗生物質薬の投与だけでなく歯科の介入によって疼痛緩和や感染リスク管理が可能であることを症例とともに解説。口腔管理の大切さを訴えた。

 講演後は、参加した国会議員と意見交換が行われ、上野氏は地域社会の中で必要な歯科支援を受けるためのがん拠点病院における常勤歯科医師の配置や、がん患者の口腔管理に対応できるがん連携歯科医院の拡充について言及。歯科本来の役割を果たすための政策や法整備の必要性を強調した。

 なお、古屋会長より2019年から毎年記載されている「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の中の、「生涯を通じた歯科健診の充実」の実現と法制化に向け、今国会会期中に議員連盟を発足予定であることが発表された。同会の今後の取り組みに注目したい。