新聞クイント2010年1月(お試し版)
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第169号 2010年1月10日(日)3今月のニュース今月のニュース厚生労働省レセプトオンライン請求に関する改正省令を公布電子媒体、手書きレセプトでの請求も可能に社 会 SPTについて サポーティブペリオドンタルセラピー(以下、SPT)とは、「歯周病の診断と治療に関する指針」(平成19年11月・日本歯科医学会)によると、病状安定と判断された場合に病状安定と維持のため歯周組織検査の結果をもとに、プラークコントロール、スケーリング、SRP、咬合調整(さらには病状の変化に応じて局所薬物搬送システム、歯周外科手術、暫間固定)などの治療を主体とした定期的な治療とある。 しかし、医療保険の中では中等度以上(骨吸収が根の長さの3分の1以上であり、歯周ポケット4ミリ以上で根分岐部病変を有する者)の歯周病を有している患者のみがSPTの算定対象とされた。 したがって、本案件に該当しない患者あるいはSPTを算定しない患者に対する治療は、適当な間隔をおきながら歯周組織検査を実施し、病状の変化を確認しながら必要に応じて再スケーリング、再SRP、ときには歯周外科手術等を実施し、それらを算定することとなる。 ところが、同指針の図「歯周治療の基本的な流れ」には、歯周外科手術後の「歯周組織検査4」のあとは歯周外科手術、SPT、治癒の3方向にしか矢印がないことから、再スケーリングや再SRPを行っても算定ができない、との主張があると聞く。同主張は、指針におけるSPTと保険におけるSPTとを混同することによって発生する誤認識である。 保険診療上は、SPTに移行しなくても再スケーリング、再SRPなどは指針上、SPTであろう。歯周外科手術後であっても算定できる。(お茶の水保険診療研究会:Y・S) 11月25日(水)、厚生労働省はレセプトオンライン請求に関する改正省令を公表した。以下に概要を示す。① 診療報酬の請求方法について、電子レセプトによる請求を原則とし、オンライン請求のほか電子媒体による請求も可能とする。② 手書きで診療報酬請求を行う医療機関・薬局について、オンラインまたは電子媒体による請求への移行を免除する。③ 常勤の医師・歯科医師・薬剤師がすべて高齢者(65歳以上)の診療所・薬局(電子レセプト請求が可能な診療所・薬局を除く)について、オンラインまたは電子媒体による請求への移行を免除する。④ 電子レセプト未対応のレセコンのリース期間または減価償却期間(リース期間等)が終わるまでの間の医療機関について、オンラインまたは電子媒体による請求への移行を猶予する(最大で平成26年度末まで)。⑤ オンラインまたは電子媒体による請求を行うことが困難な医療機関については、例外的に書面による請求が可能とする(電気通信回線設備の機能の障害、改築工事中または仮施設で営業中、1年以内に廃止または休止を計画しているなど)。⑥ 平成22年4月診療分からオンライン化に移行する診療所等については、同年7月診療分(8月10日請求分)からオンラインまたは電子媒体による請求に移行する。 さる10月10日(土)から23日(金)まで実施されたパブリックコメント(意見総数2,220件、うち医療機関が1,497件)の主な意見には、(1)レセプトオンライン化全般に関する意見 (2,769 件)として、「医療機関の自主性に委ねるべき、義務化撤回など(1,006件)」「セキュリティ面に不安がある(968件)」「本業である診察に支障を来す(140件)」「経済的負担が大きい、費用対効果が低い(139件)」、(2)省令案の内容に関する具体的な意見(217件)として、「手書き請求は件数に関係なく免除すべきなど(86 件)」が寄せられた。 保険の窓年賀状コンテスト年賀状募集のお知らせ 新年、明けましておめでとうございます。 さて、新聞QUINTでは、毎年大好評の「クイント年賀状コンテスト」を2010年も実施いたします! 歯科に関する年賀状(歯科医院で作成した年賀状、自筆のイラスト付の年賀状……など)を、下記までご送付ください。選考のうえ、本紙171号(3月号)にて大賞・特賞・佳作を掲載いたします。大賞は賞金大賞は賞金5万円・特賞は賞金3万円!5万円・特賞は賞金3万円! 佳作も数点選出予定です! 皆様、お気軽にご参加ください!★ 大賞→賞金5万円、特賞→賞金3万円、佳作→図書カード★ 応募方法:郵便番号、住所、氏名、職業、所属、電話番号を明記のうえ、郵送ください。1人につき1点とします(年賀状は返却いたします)。★締切:2010年1月29日(金)必着★ 宛先:〒113-0033 東京都文京区本郷3丁目2番6号 クイントハウスビル クインテッセンス出版株式会社「新聞QUINT編集部 年賀状係」第56回全国歯科大学同窓・校友会懇話会開催歯科の諸問題について本音で議論され盛会となる社 会 11月14日(土)、リーガロイヤルホテル小倉(福岡県)において、第56回全国歯科大学同窓・校友会懇話会(当番県:九州歯科大学同窓会、松延彰友会長)が開催された。会場は、全国各地の歯科大学同窓・校友会の担当役員が一堂に会し、歯科の諸問題について本音で議論され盛会となった。 開会後、当番校を代表し登壇した松延彰友氏(九州歯科大学同窓会会長)は挨拶のなかで、「今回の懇話会の内容が歯科界再生の礎になれば幸いである」と述べた。来賓には、近藤勝洪氏(日本歯科医師会副会長)、永田正典氏(福岡県歯科医師会副会長)、石井みどり氏(参議院議員)、福田仁一氏(九州歯科大学理事長)、鱒見進一氏(九州歯科大学附属病院長)が出席した。 引き続き、シンポジウム「健康管理者としての歯科医師―現行制度の中でどう国民の歯科医療を守るのか―」(座長:松延氏)が行われ、「潜在患者の顕在化について」(河原英雄氏、大分県開業)、「私たち(歯科界)が犯した大きな誤り(チーム医療から見えてきたこと)」(上野道生氏、福岡県開業)、「保険中心の診療の中での私の取り組み」(中野稔也氏、福岡県開業)「歯科医療混迷の原因と問題点」(下川公一氏、福岡県開業)のほか、「歯科保健医療をめぐる諸問題」(石井氏)の講演が行われた。 なかでも中野氏は、同世代の若手歯科医師の現状について述べ、保険診療で安定した経営ができる臨床現場を反映した歯科医療制度の確立を訴えた。 その後のパネルディスカッションでは、歯科医師需給問題をはじめとする歯科界を取り巻く諸問題について活発な意見交換が行われた。 なお、来年は北海道(当番校:北海道医療大学歯学部同窓会、藤井健男会長)で開催される。登壇するパネリスト。2009年11月号Volume111小林成文 様(千代田区)、上畑由香 様(草津市)、日出さとみ 様(岡山市)、たがしら歯科医院 様(岡山市)答え:フッカナトリウムシークワーズパズル 当選者発表

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